注目されている培養上清液の効果・期待される働き
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幹細胞を培養した際に生成される培養上清液には生理活性物質が豊富に含まれており、これらを体内に入れることにより健康や美容の効果が期待されています。近年では研究・開発もすすめられており、化粧品製作なども含め様々な分野で活用されています。
目的や効果によって上清液を選択し、使用方法を変えることも可能となっており、幅広く治療に用いられています。そして今後も増えてくると考えられております。
培養上清液の種類
主に脂肪由来・乳歯髄・臍帯由来幹細胞に分類されます。
脂肪由来 | 海外産は地域により感染症の有無が明確でないこともあり、 感染症の有無や安全性について確認が必要と考えられます。 一方で、日本国内で採取培養液に関しては品真管理が厳格に 管理されているため安心して利用できると考えられます。 |
歯髄由来 | 幅広い年齢層からの採取が可能ですが、成長因子を多く含む乳児の歯を 使用することが一般的です。 |
臍帯由来 | 臍帯から採取し幹細胞は成長因子を多く含まれています。 他由来の培養上清液より、効果やサイトカインの含有量が 豊富であることが特徴です。 |
含まれる成長因子と期待できる効果
培養上清液には次のような成長因子が含まれています。
成長因子 | 働き |
EGF | 肌の再生、創傷治癒、シミやシワの予防 |
bFGF | 血管新生、組織修復 |
PDGF | 損傷を受けた皮膚細胞の再生促進 |
VEGF | 新しい細胞の生成 |
HGF | 血管新生、組織修復、形態形成 |
IGF-1 | 新しい皮店細胞の生成 |
TGF-31 | 組織再構築、創傷治癒、炎症•免疫 |
IF | 免疫調節 |
多くの成長因子により次のような効果が期待できると言われています。
- 抗炎症作用
関節痛・腰痛・筋肉痛・疼痛に効果がある。炎症部位の治癒を促進する効果があります。
- 創傷治癒
傷の治りを早くする効果があり、皮膚の傷痕や炎症痕を修復する効果が期待できます。
- 組織神経修復
筋肉や抹消神経など、傷ついた組織や幹部を修復します。
傷ついた組織の細胞分裂が活性化され再生力が向上し、機能回復を促します。肝疾患・皮膚疾患・腎機能障害・糖尿病への効果が期待できます。 - 免疫調整
アレルギーがおきないように免疫機能を正常に調整します。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎に期待ができます。
- 血管再生・新生
動脈硬化などの進行を予防したり、治療に有効です。
- 抗酸化作用
細胞の老化やがんの発生を防ぐ効果に期待ができます。
- 活性化酸素除去
疲労回復や生活習慣病の予防に期待ができます。
- 若返り・美容
シワやたるみなどの予防や老化改善に期待できます。
培養上清液の使い方
- 局所注射
効果をより実感できるの注射による治療と言えます。皮下注射や関節内注射が多く行われています。皮膚の再生、育毛、神経や損傷組織の早期回復、慢性疼痛など治療に用いられています。
- 静脈注射
生理食塩水に培養上清液を融解し、静脈点滴治療を行います。全身投与による治療は血管再生や組織修復作用(皮膚疾患・肝障害改善・慢性肝炎など)、神経細胞修復・慢性疾患の予防・アンチエイジングに効果があると考えられています。
- 点鼻による投与
脳に疾患がある場合には点鼻による治療、塗布での治療が行われています。
培養上清液導入のメリット
様々な効果が期待できる培養上清液はアスリートやスポーツ選手、多忙を極めるビジネスマンにも幅広く利用されています。培養上清液を導入することは患者様にも医療機関様にも大きなメリットとなります。
再生医療の導入とは違い、時間やコストを掛けずに導入できるのが大きなメリットと言えます。使用方法も点滴・点鼻など様々な方法で治療を行うことができます。
デメリット
アレルギー反応や副反応がでる可能があります。
幹細胞培養上清液の治療を受けたことのある人は献血ができなくなります。
有効性・安全性
培養上清の臨床例は多くはありませんが、幹細胞を利用した治療と同等の効果が認められつつあります。安全性についても幹細胞を採取し培養して投与するという方法よりも体に負担が少ないといえるのではないでしょうか。
培養上清液の選び方
人の細胞から作られた培養上清液を使用するため、だれの細胞を使用しているのか等をしっかりと見極める必要があると言えます。購入する際にはスペックシート等でスクリーニング検査が行われているかなどの確認をし、より安全性の高いものを選ぶ必要があります。
比較内容 | M社 | E社 | K社 |
製造責任者 | あり | あり | あり |
製品内容 | 原液 | 原液をFD化 | 原液をFD化 |
製造国 | 日本 | 日本 | 日本 |
ドナー | 日本人 | 日本人 | 欧米人 |
ドナースクリーニング | 6項目 | 5項目 | 6項目 |
ドナー血液検査回数 | 2回 | 1回 | 1回 |
ウィルス試験(製造工程) | 8項目 | 4項目 | 6項目 |
マイコプラズマ試験 | 陰性 | 陰性 | 陰性 |
無菌試験(真菌・細菌) | 陰性 | 陰性 | 陰性 |
エンドトキシン試験 | 0.5EU/mL以下 | 0.3EU/mL以下 | 情報なし |
製品管理 | ロット毎 | ロット毎 | ロット毎 |
培養上清液の流通状況
流通されている培養上清液は脂肪由来のものが半数ほどになります。
流通状況と市場規模
由来別にみると脂肪由来の培養上清液がもっとも流通され、利用されています。次に歯髄由来が多く、まだ少ないですが臍帯血由来の培養上清液も利用されています。
日本では再生医療のみならず、その周辺産業は大きく伸びていくことが予想されています。培養上清液は再生医療とは異なりますが、再生医療市場規模から考えれば、培養上清液も連動して市場が膨れ上がる可能性を大いに秘めています。
培養上清液の導入をお考えの医療機関様へ
弊社は再生医療の申請サポートをはじめ、培養上清液の販売も行っております。
導入から使用方法まで医療機関様に寄り添った導入支援を行っております。