プレゼンティーイズムとは?生産性への影響や測定方法を解説

人材確保や定着率がますます厳しくなる中、従業員一人ひとりの状態を正しく把握し、的確にマネジメントすることが経営・人事部門に求められています。
そんな中で近年、企業の健康経営への関心が高まる中で注目されているキーワードが「プレゼンティーイズム」です。
そこで本記事では、プレゼンティーイズムとは何か、企業に与える影響、測定方法・対策などを詳しく解説いたします。
プレゼンティーイズムとは?アブセンティーイズムとの違いって?
「プレゼンティーイズム(Presenteeism)」とは、WHO(世界保健機関)によって提唱された、「何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態」のことを指します。
一方で、「アブセンティーイズム(Absenteeism)」は、病気やケガなどを理由に欠勤や遅刻・早退などをしている状態です。
どちらも企業にとって課題となるものですが、アブセンティーイズムは勤怠情報や従業員アンケートなどから簡単に測定することができるため、課題を可視化がしやすく、対策も打ちやすいものです。
一方で、プレゼンティーイズムは、一件通常通り働いているように見えているため、問題に気付くことが難しい上に、状態を客観的に把握することが困難です。

プレゼンティーイズムの原因?
経済産業省がまとめた「健康経営オフィスレポート」によると、プレゼンティーイズムを引き起こす要因として、以下の例が挙げられています。

ワーク・エンゲイジメントが高い人ほど、仕事に対してポジティブで充実した心理状態であり、仕事の成果や継続意欲、チーム貢献が高まり、組織の生産性にもつながると明らかになっています。
- 運動器・感覚器障害
頭痛、腰痛、肩こり、眼精疲労
- メンタルヘルスの不調
メンタルストレス、ワーク・エンゲイジメント(働きがい)、うつ病
- 心身症(ストレス性内科疾患)
動機・息切れ、胃腸の不調、食欲不振、便秘・下痢 (※心身症の内、ストレス性の内科疾患)
このように心理的なものから身体面まで、心身の健康状態と密接に関係し、プレゼンティーイズムが引き起こされていることが分かります。
特に、「無理してでも出社するのが当たり前」「我慢は評価される」という価値観が根強い職場では、本人も不調を抱えながら働き続けてしまい、気づかないうちに生産性が下がっていくケースが見られます。
プレゼンティーイズムによる損失額はどのくらい?
プレゼンティーイズムが発生することで、具体的にどの程度の損失があるのでしょうか?
経済産業省の調査によると、健康関連の生産性損失のうち、プレゼンティーイズムが占める割合は77.9%と報告されています。
これは、医療費(7.4%)やアブセンティーイズム(14.7%)などよりもはるかに大きな割合です。

この調査では、プレゼンティーイズムによる労働生産性損失額は年間約56万円超になると算出されています。つまり、例えば従業員数200名の企業では、年間で億を超える規模の損失につながる可能性があるということです。
プレゼンティーイズムの測定方法
プレゼンティーイズムは目に見えにくいため、測定して“見える化”することが対策の第一歩となります。
最近では、経済産業省の令和3年度健康経営度調査より、設問項目として、プレゼンティーイズムの計測方法を尋ねる設問が新設されるなど、測定することの重要性が高まっています。
測定方法は様々ありますが、前述の健康経営度調査では、主にWHO-HPQとSPQの利用率が高いとされています。

SPQ(東大1項目版)
「SPQ(東大1項目版)」とは、平成27年度健康寿命延伸産業創出推進事業「東京大学ワーキング」により開発された測定方法です。「病気やけががないときに発揮できる仕事の出来を100%として過去4週間の自身の仕事を評価してください」という1項目に対し、従業員が自身の仕事効率を自己評価する形式です。
例えば、「80%の力しか出せていない」と自己評価した場合、20%の損失と測定されます。
WHO-HPQ(世界保健機関の健康と労働パフォーマンス質問票)
WHO で世界的に使用されている「WHO 健康と労働パフォーマンスに関する質問紙(ハーバードメディカルスクール作成)」を用い、3項目で評価します。得点方法は、①絶対的プレゼンティーイズムと②相対的プレゼンティーイズムの2つの方法で表示されます。
プレゼンティーイズムを防ぐために企業ができること
プレゼンティーイズムの予防・改善には、健康経営を推進する仕組みづくりが欠かせません。具体的には以下のような取り組みが有効です。
- ストレスチェックと面談による早期発見とフォロー
- 柔軟な働き方の整備(テレワーク、時差出勤など)
- 休みやすい風土づくり
- 従業員の健康意識を高める教育・啓発活動
- 管理職へのマネジメント研修
こうした取り組みを重ねることで、働きやすさ・心理的安全性が高まり定着率が向上し、人的コストの削減にもつながっていきます。
プレゼンティーイズムを防ぐために企業ができること
プレゼンティーイズムの測定をするためには、どの測定方法を使用するにもアンケートを準備・展開・集計する手間が発生します。
ウェルネスサポートのストレスチェックサービスでは、そんな企業担当者様の負担を減らすべく、80項目ストレスチェックのご利用時にSPQ検査を一緒にご提供しています。

ストレスチェックの結果と一緒に集計されるため、集団分析と併せて組織毎のプレゼンティーイズムを算出することができ、より具体的な改善策の検討にお役立ていただくことが可能です。
健康経営の推進に、ぜひウェルネスサポートのストレスチェックをご活用ください。
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