セルフ・キャリアドックをはじめよう~働く人と企業の未来をつくるキャリア支援の新常識~

※本内容は、2025年7月発行の「キャリコンLETTER」を参考に作成しております
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働き方が多様化し、人生100年時代と言われる現代。
企業にとって「人材の定着」や「職場の活性化」は重要な課題であり、従業員にとっても「自分らしい働き方」や「キャリアの見直し」は欠かせないテーマとなっています。
そんな中、注目されているのが「セルフ・キャリアドック」です。
これは、企業が従業員のキャリア形成を支援するために定期的なキャリア面談や研修等を行う仕組みで、厚生労働省も推進している制度です。
本記事では、国も力を入れているセルフ・キャリアドックが企業や従業員にどのようなメリットがあるのか、ご紹介します。
セルフ・キャリアドックとは
セルフ・キャリアドックは、従業員が主体的にキャリアを考え、企業がその支援を行うことで、双方にとってより良い職場環境をつくることを目的としています。
この背景には、少子高齢化や終身雇用制度の崩壊など、従来のキャリア形成のあり方が変化していることがあります。
これまでのように企業主導でキャリアを築くのではなく、従業員自身が自らのキャリアを設計する時代へと移行しているのです。
主な目的は以下の3つです。
- キャリア意識の向上
- 職業能力の開発支援
- 人材の定着・活躍の促進
一般的には、キャリアコンサルタントとの面談やキャリア研修を通じて、従業員が自分の働き方や将来の目標を見直し、企業側もその支援を行うことで、双方にとってより良い職場環境を目指します。

セルフ・キャリアドッグではキャリアコンサルタントが重要な役割をもっています。
「キャリアコンサルタントってどんなことができるのか」知りたい方は、こちらもご確認ください▼
セルフ・キャリアドックのメリット(従業員側)
従業員にとってのメリットは多岐にわたります。
単なる面談ではなく、自己理解を深め、働き方の選択肢を広げるきっかけとなるところは従業員側の大きなメリットといえるでしょう。
●キャリアの方向性が明確になる
将来像や目標を整理することで、迷いや不安が減り、行動に移しやすくなります。
●自己理解が深まる
自分の強み・弱みを把握することで、成長のヒントが得られます。
●モチベーション向上
自分の成長を実感できることで、仕事への意欲が高まります。
●働き方の選択肢が広がる
ライフステージに応じた柔軟な働き方を考えられるようになります。
これらのメリットは、個人の満足度を高めるだけでなく、職場全体の雰囲気や生産性にも良い影響を与えます。
セルフ・キャリアドックのメリット(企業側)
従業員自身が自らのキャリアを設計する中で、もしくはキャリアコンサルタントとの面談の中で、「転職が促されるのではないか」と心配される企業も多いかと思いますが、転職活動を促す仕組みではありません。
今の職場でより成長するためのキャリア形成を考える機会でもあるため、企業にとっても、セルフ・キャリアドックの導入は多くの利点があります。
●人材の定着率向上
企業の積極的なキャリア形成の取り組みは従業員の満足度が高まり、離職防止につながります。
●組織の活性化
自身のキャリアを明るくとらえることで自発的に働く社員が増え、活力のある職場になります。
●人材育成の効率化
日頃の教育・指導だけでは補えない従業員個々人にあった育成が可能になります。
●経営戦略との連動
社員のキャリアビジョンを把握し支援することで、企業の方向性と従業員のキャリア形成を一致させやすくなります。
このように、セルフ・キャリアドックは従業員の成長と企業の発展を同時に促進する仕組みとして、非常に有効です。
導入時に気を付けること
企業・従業員の双方にメリットのある制度ですが、導入にあたってはいくつかの注意点があります。
特に従業員の理解と安心感を得ることが成功の鍵となります。
◇従業員の不安を取り除く説明
キャリア面談が評価や査定に直結するものではないことを明確に伝えることで従業員に安心感を持ってもらいましょう。
◇信頼できるキャリアコンサルタントの選定
キャリアカウンセラーではなく、国家資格のキャリアコンサルタントを持つ専門家による支援が望ましいです。
◇継続的な取り組みとして設計する
一度きりの面談ではかえって従業員の不満が募る原因になります。定期的な実施で効果を高めましょう。
また、セルフ・キャリアドックを上長に提案したいと考える担当者は、従業員が自社でより活躍するためのキャリア形成を目指す取り組みであることを伝えると良いでしょう。
厚生労働省も推進しています
セルフ・キャリアドックは、厚生労働省が推進する「キャリア形成リスキリング推進事業」の一環として、全国の企業・団体で導入が進んでいます。
従業員規模が50名未満の企業から数万名規模の大企業まで、業種を問わず幅広く活用されています。
導入事例や支援情報は、厚労省の公式サイト「キャリア形成支援サイト」で確認できます。(参照サイトからご確認ください)
実際に導入した企業の声も掲載されており、制度の効果や運用方法について具体的な参考になります。
働く人と企業の未来をつくる
セルフ・キャリアドックは、働く人の「キャリアの健康」を支える新しい仕組みです。
企業と従業員がともに成長するための土台として、今後ますます重要性を増していくでしょう。
導入を検討されている企業の方は、まずは社内での研修や試験導入から始めてみてはいかがでしょうか。
キャリアコンサルタントの力を借りながら、働く人の未来を支える一歩を踏み出しましょう。
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