実は80項目検査で受検率が上がる?ストレスチェック80項目を徹底解説!

ストレスチェックの「受検率」に悩んでいませんか?
企業におけるストレスチェック制度は、従業員のメンタルヘルスを守るための重要な取り組みです。
しかし、制度ももう10年が経つこともあり、実際には「受検率が伸びない」「形骸化している」といった課題を抱える企業も少なくありません。
そんな中、ここ数年で注目されているのが「新職業性ストレス簡易調査票」すなわち“80項目検査”の導入です。
「57項目でも受ける人が少ないのに本当に受検率が伸びるの?」「設問が多いと逆に面倒なのでは?」と思われるかもしれませんが、実はこの80項目検査を上手く利用することこそが、受検率向上のカギになる可能性を秘めています。
本記事では、80項目検査をどのように活用すればよいか、についてご紹介します。
ストレスチェック57項目と80項目の違いとは?
まずは、検査項目の違いについて知っていきましょう。
職業性ストレス簡易調査票は「57項目」、新職業性ストレス簡易調査票は「80項目」と呼ばれており、どちらもストレスチェック制度で定められている項目ですが、厚労省が推奨している調査票は57項目と言われています。
80項目版は、57項目に23項目を加えて職場のいきいき度を調査しています。
「職場環境に関する設問」が追加されており、57項目より「従業員の“職場への意見”を反映しやすい構成」になっています。
なぜ80項目検査で受検率が上がるのか?
一見、設問数が多いと「受検するのが面倒」「時間がかかる」と思われがちですが、80項目を利用することで受検率を上げることができる可能性が高まります。
●職場環境への“声”を届けられる実感
80項目では、上司との関係性や職場の物理的環境、業務量の適正など、職場に対する具体的な意見を表現できる設問が含まれています。
従業員にとっては「ただの健康チェック」ではなく、「職場改善のためのアンケート」としての意味合いが強くなり、回答するモチベーションが高まります。
●フィードバックの質が向上する
80項目の結果は、より詳細な集団での分析が可能です。
部署ごとの傾向や、特定のストレス要因が明確になり、具体的な改善アクションにつながるため、従業員の声からなる結果を企業側が職場環境改善に活用しやすくなります。
●「本気度」が伝わる
従業員は、企業がどれだけ本気で従業員のことを考えているのか、敏感に感じ取ります。
ストレスチェックで80項目を導入することで、「本気で職場環境を良くしていきたい」というメッセージが伝わり、信頼感や安心感が生まれます。
●“自分ごと化”されやすい
57項目では、主にメンタル及びフィジカルの健康面に対する設問で、設問の聞き方も少しネガティブなイメージのものが多いですが、80項目では、従業員自身が「自分の働き方」や「職場の状態」をより深く振り返ることができる、ポジティブな設問で構成されています。
これにより、ストレスチェックを単なる義務ではなく、自己理解やキャリアの見直しにもつながる機会として、周知することができます。
80項目を徹底解説!受検率向上以外にもこんなメリットが
ストレスチェック80項目は、受検率向上に役立つだけではなく、その他にもメリットがあります。
●部署ごとの傾向分析がより詳細に実施可能
組織単位での改善施策にそのまま役立つ設問が多いので、具体的なアクションに繋げやすくなります
●エンゲージメント向上につながる
集団分析の結果から施策を実行することで「意見が反映される」実感を従業員に与えることができ、従業員の満足度や定着率向上に寄与します
●産業医・人事担当者の早期フォローが可能
ストレスチェック実施後に医師面接指導や希望者に対する面談を実施することで、メンタル不調者を早期にフォローすることができます
導入時の注意点:80項目検査を成功させるために
80項目検査は、項目の性質を活用することでメリットをもたらします。
故に、導入にあたっては注意しておきたい点も複数あるので、是非以下の内容に注意して、検討してみてください。
1.目的と活用方針を明確にする
「なぜ80項目にするのか」「結果をどう活用するのか」を社内で共有し、従業員にも丁寧に説明することが重要です。
目的が曖昧なまま導入すると、「設問が多いだけで意味がない」と受け取られるリスクがあります。
従業員からの声を聞くために実施する旨をきちんと周知してから実施しましょう。
2.回答時間の配慮と工夫
80項目は回答に10〜15分程度かかるため、業務時間内での実施や、回答しやすい時間帯の設定など、負担を軽減する工夫が求められます。
また、実施時期も繁忙期だと15分でも時間を取ることが惜しいと考える人も出てきて、受検率に影響を与えてしまうので、ゆとりをもって実施できる期間を選択しましょう。
3.フィードバックと改善アクションの実施
回答結果を集団分析した後は、必ずフィードバックを行い、改善アクションを示すことが大切です。
「回答しても何も変わらない」と感じさせてしまうと、次回以降の受検率が下がる可能性があります。
部署単位で管理職層に集団分析をフィードバックして、日頃からの業務に活かしていけるよう連携することも大事です。
4.個人情報保護と匿名性の担保
ストレスチェックは健康診断の結果と同じく、センシティブな情報を扱うため、匿名性の確保と情報管理体制の整備は必須です。
実施前にストレスチェック実施規程や運用方法をきちんと周知して、従業員が安心して実施できるよう配慮しましょう。
外部委託する場合も、プライバシーマークやISMSを取得している、など信頼できるベンダーを選定しましょう。
5.産業医・人事・管理職の連携体制を整える
80項目の結果は、より詳細な情報を含むため、産業医や人事、管理職との連携が不可欠です。
特に高ストレス者への対応や、部署単位での改善提案には、現場との協働が求められます。
80項目検査は「面倒」ではなく「価値ある投資」
ストレスチェックは、法令で定められている義務ではありますが、単なる義務ではなく、職場の健全性を高めるための重要なツールです。
80項目検査は、事前周知を活かすことで受検率の向上に役立つことはもちろん、実施後の集団分析等を活用することで、職場改善・従業員満足度向上・離職防止といった多くのメリットをもたらします。
「受検率が伸びない」とお悩みの企業こそ、ぜひ一度、80項目検査の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
▼参照▼
・https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001249076.pdf【労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル:改訂令和3年2月 – 厚生労働省】
・https://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou/【こころの耳:ストレスチェック制度について – 厚生労働省】
ウェルネスサポートのストレスチェックサービス
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