健康診断受けてますか?健康診断の受診率向上のポイント
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みなさんは毎年、健康診断を受診していますか?
本来、健康診断は実施義務が企業側にあり、受診義務が従業員側にあるもので、労使が協力しなければならない義務です。
しかしながら、健康診断の受診率が100%に満たず、悩んでいる企業も多々いらっしゃいます。
この記事では、健康診断の受診率が上がらない理由や受診率を向上させるポイントをご紹介いたします。
健康診断とは
健康診断とは、自身の健康状態を客観的に確認することで自身の健康確保に努めるものです。
労働安全衛生法では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない」(第66条1項)とされており、企業側には実施する義務が、従業員側には受診する義務があります。
健康診断には種類があり、対象に応じて必要な健診を受診する必要があります。
一般健康診断の種類 | 対象となる労働者 | 実施時期 |
---|---|---|
雇入時の健康診断 | 常時使用する労働者 | 雇入れ時 |
定期健康診断 | 常時使用する労働者(次項の特定業務従事者を除く) | 1年以内ごとに1回 |
特定業務従事者の健康診断 | 労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者 | 左記業務への配置替えの際、6月以内ごとに1回 |
海外派遣労働者の健康診断 | 海外に6ヶ月以上派遣する労働者 | 海外に6月以上派遣する際、帰国後国内業務に就かせる際 |
給食従業員の検便 | 事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者 | 雇入れの際、配置替えの際 |
この他、特定業務に従業している従業員に実施しなければならない「特殊健康診断」「じん肺健診」「歯科医師による健診」もあります。
参照:労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう(厚生労働省)
健康診断の受診率
平成24年に行われた、厚生労働省の「労働者健康状況調査」によると、事業所規模が小さくなるにつれて実施率・受診率ともに低下しています。
また、500名以上の事業所では、実施率100%に対して、受診率が80%台に留まっています。

参照:労働者健康状況調査平成24年度(厚生労働省)※H24調査で廃止
従業員が受診しない理由
昨今の新型コロナウイルスの影響で、受診する従業員に変化が起こりました。
ジョンソンエンドジョンソンが2021年12月に実施した生活者調査では、新型コロナウイルスが流行り始めた当初より低くなっているものの、依然として約2割の方が健康診断・人間ドックを控えたいと答えています。
理由に関しては、調査実施した2021年は新型コロナウイルスがまだ2類で感染の脅威が強かったことから「新型コロナウイルスの感染リスクがあるから」が一番多く、「国内の新型コロナウイルス感染が終息していないから」「医療機関が大変な状況と聞いていて、遠慮している」と新型コロナウイルス感染に関する不安の声が多くありました。
一方で、「健康状態に不安がなく、必要性を感じていないから」「必要な時にはいつでも受診できるから」と健康診断を受診することに対して、必要性を感じていないと答えた方も目立ちました。
健康診断は、健康状態を確認して、病気の予防や早期発見・早期治療を行うことが大きな目的です。
特に定期的に受診することで、過去との結果と比較して僅かな変化を知ることが出来ます。
病気には、初期段階ではほとんど自覚症状がないものもあり、癌であれば、1ヶ月の差で進行に大きく影響を与えます。
企業は、従業員が健康診断を受診する意味をきちんと理解したうえで受診できるよう環境を整えましょう。
企業側が困っていること
従業員が意図的に受診しないこと以外に、企業側が実施できていないという現状もあります。
健康診断を実施しなかった理由では、「健康診断を実施する日程や時間がとれない」が最も多く、他に「健康診断を実施する費用が高い」「健康診断を実施する医療機関が見つからない」という理由も挙げられています。
受診率を向上させるポイント
企業側が困っている部分を解消することで、従業員が受診しやすい環境を整えることが受診率向上のポイントです。
- 健康診断を実施する日程や時間がとれない
健康診断は労働時間として取り扱う必要があります。
業種によって事情はあれど、年間を通じて日程や時間がまったく取れないということは、管理監督者が実施計画を把握していれば、考えにくいことです。
例えば、繁忙期を外したタイミングで実施する、巡回バス健診を利用して生産ラインを止めないようにする等、自社に合った実施計画を立てることが必要です。
また、従業員個人に受診を任せてしまうことは、従業員にとっては自由度が高いですが、その反面、企業側としては、受診の把握がしずらく、従業員が受診を忘れてしまう可能性もあります。
このような場合は、受診期間をある程度定めておくことや受診勧奨を積極的に行うことが大切です。
- 健康診断を実施する費用が高い
従業員の健康に投資することで、将来的に会社は大きなリターンを得ることができるとして”健康経営”が近年重要視されていますが、中小企業は経済的な余力が小さく、長期的な人材投資が難しい場合もあるでしょう。
そんな場合は、下記のように労働安全衛生に関する助成金制度を活用しましょう。
- 人材確保等支援助成金 (厚生労働省)
- 各自治体の定期健康診断補助金制度 (自治体毎)
- 協会けんぽ等、健康保険組合の費用補助制度 (組合毎)
- 健康診断を実施する医療機関が見つからない
健康診断は労働時間として取り扱う必要があります。
社内に健康診断を実施できる人員や施設等を持っている企業はごくわずかで、多くの企業は病院などの医療機関や健診機関を利用して健康診断を実施します。
実施する機関が見つからないことでお困りなら、「全国健康保険組合」などが医療機関をリストにまとめているいるので、自社で利用できそうな病院をピックアップしてみると良いでしょう。
選ぶ際は、「会社から近い」「費用が安い」だけでなく、”日程調整や支払等、事務的な協力が得られるか”、というところも大事になってきます。
特に、会社で取りまとめる場合は、その業務を人事部門が担うことになることが多いため、業務の負担についても考える必要があります。
参照:「健康診断・人間ドック、がん検診等、医療受診に関する意識・実態調査」生活者調査編(ジョンソンエンドジョンソン2021年12月)
参照:全国健康保険協会
まとめ
健康診断は基本的には年に1度なので、その重要性を従業員も企業も軽視しがちですが、長期的な目で見ると、人が健康で働けることは、従業員の人生にとってももちろん良いことですし、企業にとっても健康で長く働いてくれる人材は貴重な存在です。
新型コロナウイルス感染症は5類となり、数年前よりもいわゆる”普通の生活”に戻っているので、新型コロナウイルスの流行で変わってしまった意識をこのタイミングで切り替え、定期健康診断の実施について改めて見直してみてはいかがでしょうか。
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